こんにちは。「知的生活ネットワーク」の@lyustyleです。
前回で、ゲーム機やソフト、その環境等を小さい頃から親が管理することの大切さを述べました。
そのために、ルール作りが必要になってきます。今回はルールということについて述べてみたいと思います。
ルールは,話し合って決める
ルールは、ゲームを買う前に、子どもと一緒に話し合って決めておくことが望ましいでしょう。一方的な押し付けではなく(そうであったとしても)、子どもが「うん、わかった」と納得するということが必要です。
その上でルール作りをしますが、一般的にはこのようなルールがつくられているようです。
ゲーム機を買う時にとりきめるルール
ゲーム機は親の所有が望ましいという前提の上で・・・・
勝手に外にもって出ないこと
ゲーム機やソフトを外に持って出ることで起きる、損壊や盗難、忘失などによるともだちとのトラブルの未然防止のためです。
また、公共の場所での使用などによる迷惑や交通安全などからも大事なことです。
持ち出し自体を厳禁にしている家庭もありますが、小学生くらいのうちはそれでよいだろうと思います。
親の管理下にしっかりおいておくということですね。
前回も書いたように、親が所有しているものを貸し与えるという形にしておくことがもっともよいと思います。
外に持って出る場合のルール
以下の点は,これまでに見てきたさまざまな例からぜひお家で話し合ってほしいポイントです。
ゲーム機やソフトを友達に貸さないこと,借りないこと。
借りた貸さない,貸しているうちに落として壊した,いつの間にかソフトがなくなっている・・・こういう話が学校の持ち込まれることが少なくありません。家では解決できないので学校に持ち込まれるわけですが,持ち込まれても学校は如何ともしがたいというのが現状です。
ソフトの貸し借りは,各家庭での責任ある解決可能範囲を超えてしまうことがありますので,させないことが必要です。
特に,「借りない」「させてもらわない」は,子どもの身を守るためにも重要なことです。ソフトがなくなった場合,必ず調べられる対象になるのです。
交通ルールを守ること。危険な場所でしないこと。
これはぜひ守らせてほしいです。人を加害者にしてしまいます。
今回,ポケモンGo!の配信当日からさまざまなTweetがありました。
スマホをみながら赤なのに横断歩道を渡っていた子どもをはねそうになった運転者の方。
目の前を数名の子どもがスマホを見ながら道路の方に走っていったのを見た通行者の方。
ポケモンGo!が悪いわけではないのでしょうが,保護者が見てそのような危険が起こりやすいと思われる場合,危険回避のため,人を加害者にしないための両方の点からしっかり話をしてあげるとよいでしょう。
公の場所で群れ集って他の人に迷惑をかけるような遊び方をしないこと。
子どもたちだけでファストフード店に入り浸っている場面を見ることがあります。無料のキャラやアイテムが配信されていたとかで,注文もしないでテーブルに座りわいわいさわいでいました。
私は客として子どもたちに注意をしたうえで店長さんに話をしました。苦渋の顔をしてありました。未来の重要なお客ですから無下に追い出せないようです。それでは,ということで私がその店に行かなくなりました。大人としてきちんと注意をすることができない店の態度が客の足を遠のかせてしまったわけです。
自分の子どもがそのようにして店やお客に迷惑をかけているのはしのびないことではないでしょうか。
親同士で連絡しておくこと
なんらかの理由で友達の家に持っていきたいというような時は,親同士で連絡をとりあうというルールをつくっている家庭もあります。
家でゲームをするときのルール
家庭によってさまざまなのルールが見つかります。その中でもよく見られるのが以下のルールです。
- 個室に持ち込まない
- 充電器は親の目の届くところにおいておく
- 旅行など,家族のお出かけ時にはもっていかない
これらは,親が,内容や時間を管理できるようにしておくことや,家族と一緒にすごす時間を大切にさせることなどからルールにされていることが多いようです。
- 時間を決めておく
ゲームの時間については,次回に述べたいと思います。
破ったときのペナルティを決めておく
当然ながら、破った時のペナルティも同時に決めてください。
親の所有物にしておくと簡単です。「もう貸さない」だけで済みます。
破り方の軽重により貸さない期間を考えるといったこともできますね。
ゲームを買わなくてもおうちで話し合っていたほうが良いこと
家ではゲーム機を買わないし,子どもにも与えない,という家庭もあります。ところが,その場合でもよく話し合っていたほうがいいことがあります。それはリスク回避の話です。
前にも書きましたが,友達と遊んでいると,友達がゲーム機をもってきていることがあります。自分の子どもにはゲームを持たせていなくても,友達が持っているゲーム機で遊ばせてもらうということは十分考えられることです。
その場合,なくなった,壊れたなどのトラブルがおきれば,借りて遊んでいた場合必ず調べられる対象になってしまいます。
友達からゲームをさせてもらうこと,ゲーム機を借りて遊ばせてもらうことについて,そのリスクをしっかり話し合っていたほうがいいと思います。
けっこう見落とされがちなことです。
ゲーム機を置いて別の遊びに誘うというようなことができればいいですね。
近所の親とルールを共有
「我が家ルール」は,我が家だけの独自ルールというよりも,ある程度ほかの家庭と共通することが多いと思います。
子どもの成長,健康,家庭での生活,安全などの面から考えていくと,そのルールはだいたい似てくるようです。
保護者同士が「我が家ルール」を出し合う場があり,それを共有できたらいいですね。
「よそはよそ!うちはうち!」でも全く構わないのですが,近所の友達のうち皆がこんなルール,というルールがあれば,子どもたちもより納得して,安心して遊ぶことができるのではないでしょうか。
目からウロコのルールふたつ
世の中には子どもがゲームに向き合うための様々なルールが存在しますが、「こうしてはいけない。してしまったら・・・」{~すること」というルールが多いように思います。おそらく「我が家ルール」を作る際にもそのようになってしまうことが多いでしょう。
しかし,「~してはいけない」「~すること」だけではなく,「~すれば~できる」という,自分の工夫ができるルールもつくれます。もっとこうしたいから,このように工夫してみよう,という工夫の可能性を持たせておくことは,自主的なルール遵守の精神と行動をもたらすことができます。
その点で、こんな工夫ができるというルールがありますのでご紹介します。
「これだけやったら、同じ時間これをする」というルール
読書に関する記事もでも書きましたが、元PrincessPrincessのボーカル、岸谷香さんが子育てで行われたルールです。
岸谷香 幼児期からDS「わが家のゲーム・ルール」
岸谷香 幼児期からDS「わが家のゲーム・ルール」 | 岸谷香のどんなママだってみんすすな素敵 | 日経DUAL
ゲームをしたのと同じ時間読書をする、というルールです。
何時間してもかまわない。しかし10時間ゲームをしたのなら、10時間本を読みなさいというルール。
逆に言うなら,10時間本を読むから10時間ゲームをしようとか,10時間ゲームをするために10時間本を読んでおこう,といった行動を子どもが選ぶことができます。
かなり思い切ったルールです。子どもを信頼しているからこそのルールだと思います。もともとお子さんは読書が好きだったということもあり,結局、思いっきりゲームを楽しみながら小学校時代に読書を2千冊もすることができましたとのことです。
このような、何かで相殺するというルールは子どもに取っても「折り合い」をつけやすいルールだと言えますね。
その何かも、勉強でなくて読書だったのがよかったですね。勉強なら切り替えが難しいかもしれませんが、読書なら自分が好きな本をさっと読み始められるでしょう。そこから勉強へのスイッチもしやすいはずです。
「土、日の朝は朝ごはんまでの時間どれだけやてもかまわない」というルール
これは,実は我が家で行っていたルールです。
子どもたちが小学校時代にですからもう15年くらいも前になります。
平日はゲーム禁止です。でも土日は朝ごはんまでならどれだけやってもいいのです。
おかげで、土日は朝5時くらいから起きて2人で交代しながら3、4時間ゲームを楽しんでいました。
これも、土日の早起きという効果がありました。また、金曜日の夜は、明日は早く起きないといけないから早く寝ようと言いながら早々と寝ていました。
これらふたつは,どちらもただ守らせるだけでなく、自分たちでコントロールしてよりよく工夫できるようになっています。
せっかくルールを作られるなら、このように工夫可能なルールを作ると良いのではないでしょうか。
しかし,この例では,どちらも1日のゲーム時間はどのくらいが適切かということについては考慮されていません。
そこで次回は,最終回。1日のゲーム時間について考えてみたいと思います。
まとめ
- ルールは買う前に決めておくこと。
- 勝手に外にもって出ないこと。
- ゲーム機やソフトは,借りない,貸さないこと。
- 交通ルールと公共マナーを守ること。
- 家でゲームをするときのルールには,親が管理できるようにすること。
- ゲーム機を買わなくても,子どもとゲームに対する姿勢を話し合っていたほうがいいこと。
- 近所の保護者とできるかぎりルールの共有をすること。
- 「~してはいけない」というルールだけでなく「~したら~できる」という,自分と向き合いながら工夫できるルールもあること。
ゲームについて考えていると,本当にきりなくどんどん出てきます。
ゲームの形態によるルールの違いもいろいろとありますしね。
ライトに行くつもりでしたがいろいろと考えていたら長くなってしまいました。
しかし,基本は親が子どもをどのように育てたいのか,という点につきます。子どもとしっかり話し合って,よいルールづくりができたらいいなと思います。
それでは,また2週間後の火曜日にお会いしましょう。
挿絵のメイキング
記事の内容とは全く関係ないですが,今回,挿絵を描いている途中で録画しみようと思い立ちました。
Youtubeにアップロードしていますので,興味のおありの方はどうぞご覧ください。
挿絵工房
挿絵工房 – 学校で使える挿絵のサイト
小学校の教師を33年間勤めています。
渡部昇一氏の「知的生活の方法」を読んで以来,忙しい中にも知的生活を求め続ける人生を送りたいと思ってこれまでやってきました。
2008年よりブログ「知的生活ネットワーク」をやっています。
BLOG:知的生活ネットワーク
Twitter:@Lyustyle