外資系コンサルタントが実践するプロジェクト管理10のコツ!!

みなさんはじめまして、うさぼう(@usabo_tweet)です。この度、アシタノレシピの執筆メンバーに加わることになりました。隔週で第1、第3月曜日を担当します。よろしくお願いします!

私はITコンサルタントとして数々のプロジェクトに携わっています。プロジェクトは新しいシステムを開発してリリースするものから、業務や組織を変えることなど多岐にわたります。

プロジェクトを計画通りに完了させることに留まらず、いかにプロジェクトの成果を高めるか知恵を振りしぼったり、想定外の難しい状況を乗り越えようと頭を悩ませる日々を過ごしています。

また妻と2人の子供と過ごす家族プロジェクトも楽しく取り組んでいます。

アシタノレシピで伝えたいこと

今日を、今この時間を楽しくするにはタスク管理がお勧めです。タスクを把握して一つ一つをつぶしていくことは、不安の軽減にもなりますし、達成感も得られます。

それでは、明日を楽しくする、いや明日”も”楽しくするにはどうすればいいでしょうか。

私がお勧めするのは、プロジェクトの管理です。プロジェクトとは、一日では終わらず、完了させるのに複数のタスクを必要とするものです。旅行の計画や資格試験の勉強などプライベートにもたくさんプロジェクトはあります。

プロジェクトは時間のかかる取り組みです。せっかくの思いつきとやる気が損なわれたり、変わってしまうことは少なくありません。タスク管理とは違った視点やノウハウが必要になります。

私は、アシタノレシピでプロジェクト管理に関する自身の知識や経験をお伝えします。仕事にプライベートに取り組んできたプロジェクトで実践し、改善し続けているノウハウです。あなたのプロジェクト実現に少しでもお役に立てたり、プロジェクト管理の楽しさが伝わればこの上ありません。

プロジェクト管理10のコツ

早速今日は、プロジェクト管理のコツを10個紹介します。使えそうなものは、今日から一つでも取り入れてみて頂けるとうれしいです。

1) なぜプロジェクトをやるのか書き出す

プロジェクトを管理する上で一番大事です。プロジェクト内のタスク以上に大事と言っても過言ではありません。なぜプロジェクトを実施するのか、このプロジェクトを通じて何が実現できるのか、どんな課題が解決されるのかを図や言葉にして書き出しておくことで、プロジェクトの全期間、関係者全員が折に触れて思い出すことができます。

2) なにをつくるのか書き出す

あらためて書き出すまでもないと思うかもしれません。ここでは、プロジェクトで作りたいものを改めてかき集め、漏れなく書き出せているかチェックします。そして、構成要素に分解して明細を書き出します。

明細を構造化して一つ一つ書き出しておくことで、プロジェクトで作りたいものが明確になりますし、後で作りたいものが変わった時にも立ち返ることができます。

3) どうやってつくるのか書き出す

2つ目のコツ「なにをつくるか」で書き出した明細の一つ一つを作るためのタスクを書き出します。何をインプットに何をつくるのか、かかる時間はどれくらいか、必要な人(スキル)や道具は何かを書き出します。そのうえで、つくる順番にタスクを並べてスケジュールを組み立てます。

ここで重要なのは、かかる時間の見積もりです。どんなにいつ終わるかが気になったり、早く終える必要があったとしても、個々のタスクを実行するのに必要な時間や人(スキル)、道具を明確にすることは譲れません。

4) いくらかかるのか書き出す

タスクを実行するのに必要な人(スキル)や道具が明確になったら、それを確保するのにいくらかかるのかを書き出します。ここで難しいのは、全てが明確になった段階でかかる金額を算出し、希望通りに得られることなんて皆無だということです。不明確な要素を残す中でも可能な限り詳細に書き出し、計算式や前提も残しておきます

予備を多めに確保するのも大事ですが、後で再計算できるよう根拠をしっかり残すことのほうが重要です。

5) どうやってできているかチェックするかを書き出す

なにをつくるのか、どうやってつくるのかは明確になったので、今度はそれをどうやってチェックするかを書き出します。つくった人と別の人が見てチェックをしたり、実際に触って動作確認をしたりして、何をすれば”できている”ことを確かめられるのかを明確にします

担当者がタスクが終わったと実感、宣言することとは別の視点で、第三者ができあがったものを評価します。

6) だれがどう参画するか書き出す

3つ目のコツ「どうやってつくるか」で書き出した必要な人(スキル)を、いつからいつまで参画するかを書き出します。人には役割を担ってもらうため、そのための準備も含めます。

複数名で取り組む場合は、チームとして能力を発揮するまでの準備も見込むことが重要です。個人やチームが必要な期間、能力を発揮するには何が必要かを明確にします。

7) どうコミュニケーションするか書き出す

プロジェクト関係者がどんな会議や文書を通じてコミュニケーションするかを事前に書き出します。意思決定、検討、情報共有。堅苦しく感じるかもしれませんが、誰かが必要な時に必要な情報を入手できる状態にしておくことは不測の事態の備えになります。

8) もしものときどうするかを書き出す

計画通り全てが進むことはありません。よりよい状態を求めてプロジェクトを進める以上、計画通り進めるのがベストとも限りませんし、挑戦の度合いが大きいほど、計画通り進まない可能性も高まります。

なので計画通り進まなかった場合を想定して事前に対策を考えておきます。想定すらできないもしもに備えてお金や時間を用意しておく必要もあります。

9) 何をどこから入手するか書き出す

3つ目のコツ「どうやってつくるか」で書き出した人や道具をどう手配するかを書き出します。手配はプロジェクト外の関係者を伴うことが多く、比較検討の段取りなどについてもまとめておくことが有用です。予定通りのものが入手できたのかのチェックも含みます。

10) 関係者それぞれの思惑を書き出す

複数人でやるから一人では到底できないプロジェクトも実現が可能になります。その一方で、関係者の数だけ思惑も増えていきます。誰にどんな思惑(ポジティブな思いとネガティブな惑い)があるかを書き出しておき、誤解を解いたり説得したりしながら合意につなげていきます。

終わりに

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、これらはPMBOKと呼ばれるプロジェクトマネジメント協会(PMI)が発行する、「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」で紹介されている10の知識エリアを意訳したものです。10個の知識エリアをそのまま紹介しているわけではなく、あくまでその中から気をつけたい要素を抜き出しました。

方法論やルールはそのまま与えられても使えません。しかし摂取してみて自分のものになった時、英知の結晶は、自身の道しるべに留まらず、関係者を巻きこむ心強い灯台にもなりえます。形式的で面倒に見えていた方法論や管理ルールが少し違った意味のあるものに見えてきたら幸いです。

ではまた2週間後にお会いできれば幸いです。

プロジェクト管理10のコツまとめ

  1. なぜプロジェクトをやるか (統合)
  2. なにをつくるか (スコープ)
  3. どうやってつくるか (タイム)
  4. いくらかかるか (コスト)
  5. できているか (品質)
  6. だれがやるか (人的資源)
  7. どうやってはなすか (コミュニケーション)
  8. もしものときどうするか (リスク)
  9. どこから手に入れるか (調達)
  10. それぞれのおもわく (ステークホルダー)

自己紹介

ITコンサルタントとして数々のプロジェクト管理に携わる。PMP保有。ブログ「うさぼうの人生ダッシュボード化計画」を運営。

仕事が終わらない不安、クライアントや上司の期待に応えられない葛藤に悩みながら、気晴らしにゲームで遊ぶ日々を過ごす。ハマりやすく続けられる理由を解明したゲームニクス理論に出会い、仕事をゲームのように楽しめないか模索。

ゲーミフィケーション書籍を読み漁るうちに、ゴールや現在地、行動結果の見える化が、失敗を恐れずに挑戦を楽しむ鍵だと気づく。どんなに炎上したプロジェクトにも笑顔はあり、また働きたいと思える仲間に出会ってきたことが財産。ブログでは、仕事や家族との生活、読書や体験から考えたことを書き綴り、人生をゲームのように楽しむヒントを発信中。

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