こんにちは。@Lyusytleです。
もう1月の最終日。1年の12分の1が終わります。
あれよあれよという間に1月が行ってしまおうとしています。
さて,1月の月一テーマが「私の仕事道具と仕事術」でした。
前回,それに乗っからせていただいたわけですが,1月の最終日にもう一度これに乗っからせていただきます。
というのも,前回だけでは終わらなかったからです。
子育てレシピはどこにいったんだ,といわれそうですが,どうか,今回までご容赦願います。
ストックとフロー
前回は、インプットについてのお話をしました。今回は、集めた書類をどのように処理するのかということです。
教師は、職員室に戻ると目も当てられないほど大量の印刷物や冊子などが机上に山積みになっています。一日のほとんどを教室で授業をして過ごしますので,職員室にいないことの方が多いのですが,その間にどんどん書類が積み重なってしまうのです。
これらを放っておくと、すぐに必要な書類が何処かに行ってしまいます。
私も整理が上手な方ではありませんので,若いころはよく書類をなくしていました。
なんとか効率よく処理しないといけません。
でも、この処理に時間を取られるわけにはいきません。私たちは次の授業の準備をしに降りてくることがほとんどであって、書類の処理に手間をかけていたらそれができなくなるのです。
だから、いかに効率的に時間をかけずに机上の書類を処理するのかということをよく考えて来ました。
その結果、6年ほど前に今のやり方に落ち着き、以来ずっと実践しています。
それは、全ての書類をいったん一箇所にまとめておき、帰宅時などに時間を決めてそれをたった二つに分類するという,とても簡単なことです。
ためておくための「ストック」そして、処理するための「フロー」の二つです。
1.ストック
保存されるべきものを入れておく箱です。
資料であったり、レポートであったりなど、何らかのファイルに綴じられて然るべき場所に保存されるものを放り込む場所です。
いつか、ファイルに綴じることになりますが、今はその時間はありません。
綴じることにはまってしまうと、今すべき授業の準備ができなくなるからです。
しかし、ここに入れられているものは将来必ずなんらかのファイルに綴じられるべきものです。
ですから今は見えないところにしまっておいてかまいません。
そして月曜日の朝など、まだ脳みそがフレッシュなときにまとめてファイルに分類して綴じ、棚などに保存します。
今はここに放り込むだけで終わりです。
2.フロー
フローの箱に放り込まれる書類。それはまだ役割を終えていないものです。
答えなければならない調査、明日の行事のために参照しなければならない実施案、提出しなければならないレポートの様式、読まなければならない資料など、何らかの処理が必要なもの。フローはそれを放り込む場所です。
フローに放り込んだものは、なんらかの処理をするものですから、ひとつひとつ期限を確かめ、プランナーやカレンダーに記入します。
あとは、プランナーで仕事を細かく割り、タスクとして日にちごとに割り振っていけばいいのです。
IOSカレンダーにいれておくと、「たすくま」にも表示されるので、1日の流れの中にしっかりと現れてくれます。あとは段取りを建てたときの自分を信じて実行するだけです。
いつ処理するのかを決めた書類は、ファスナー付きのケースなどに入れてなくさないように見えやすいところに置いておきます。
ストックは目の前から消す、フローは見えるところに置いておくということです。
処理を終えたものは、当然ストックに放り込まれることになります。
3.実際の処理
1.1日のうちでどんどんたまっていく机上の書類は、たまっていくはしからどんどんあらかじめ決めて置いた引き出しや、ダンボールなどに放り込み、なるべく机上がクリアになるようにしておきます。
2.帰宅時、机上にストック用とフロー用の箱を二つおきます。段ボールなどに放り込んで置いた書類を机上に乗せ、なるべくすばやく二つにわけて放り込んでいきます。ファイルするものはストックに、処理や参照が必要なものはフローに。たったふたつですからあまり時間はかかりません。
3.ストックに入れたものは、とりあえず見えない場所に持っていきます。来週の月曜の朝、フレッシュなときに一気にファイルします。
4.フローに入れたものは、ひとつひとつ吟味してスケジュールに書き込み、ケースにまとめて入れて、見えるところにおきます。
5.その後、プランナーやカレンダーなどで実行へ向けてプランを練ります。
以上の方法は、整理が苦手な私にはとても効果的です。たった二つに分けるだけですから時間もかかりません。
さて、こうして最終的には全て「’ストック」に流れていき、なんらかのファイルに保存されるのですが、実はさらにそこから先があります。
それは、私が1987年から30年近くにわたって運用している「山根式袋ファイルシステム」です。
最後の保存場所「山根式袋ファイルシステム」
システム手帳の中の情報が書き込まれたリフィル、配布されファイルとしてストックされた資料、指導案などの生産物。それらは、一時はファイルとして棚に立てられますが、そのうち処分する時が来ます。
年度の終わりには、ファイルをほどいてリサイクルにまわしますが、とっておかなければならないものがでてきます。
そういったものは、永久保存版になり,山根式袋ファイルという最終保存場所に移動します。
山根式袋ファイルとは,自宅の書棚にしつらえた、数百枚の角形2号封筒によるリアルデータベースです。
袋一枚を、データベースのレコードひとつと見立て、そのなかに書類などを入れて保存します。
それぞれの袋にインデックスがついています。カタカナで、そのデータの最初の3文字が書かれています。
3年生で図工の授業をしたら、その準備の資料、指導案、指導の記録、子供の写真など一連のものを一つの封筒に放り込み、インデックスに「ズコ3」などと書きます。そしてインデックスの下により詳しいその授業の名前などを書いて、袋を書棚におさめます。
その時、あいうえお順になるように並べます。
後日、「あのとき3年でやった図工の指導の記録はどこにいったけ」ということになったら、あいうえお順にならんだ封筒のインデックス部をみて「ズ」のところを探し、「ズコ3」を探します。数秒もかかりません。
そのデータが必要だったらその封筒ごと持ち出し、持ち出し先で何か資料が出たらそれもあらたに封筒に入れ、持って帰って元の場所におさめます。
これが山根式袋ファイルデータベースシステム。
安価で、検索15秒以内。
このシステムのもっともよいと思われる点は、袋に入れられるものであればすべてのものを規格統一できるということです。
1987年から始めたこのシステムによりつくったデータは、長い時間の中で廃棄されたものもありますが、今でも現役のデータとしていつでも検索できる形で書棚にならべてあります。
「山根式袋ファイルシステム」の作り方や運用の仕方については、ミニサイトを作ってありますので、どうぞそちらをご覧ください。
おわりに
月一テーマに2度も乗ってしまいました。
インプットの仕方、そして集まった資料のストックとフローの方法、最終保存場所としての袋ファイルシステム。
これらが、私の教師としての研究と授業実践という教育の仕事のコアとなる道具だと言えます。
たまたま私は教師なのですが、汎用性のあるやりかたではないかと思っています。
さて、次回からまた子育てレシピに戻ります。
そろそろ1年になろうかとしていますが、子育てについては次々に悩みがわいてきます。
読者の皆さんの中で、子育てレシピで扱ってほしい悩みがおありの方は、どうぞお知らせ下さい。
それではまた二週間後に。
小学校の教師を33年間勤めています。
渡部昇一氏の「知的生活の方法」を読んで以来,忙しい中にも知的生活を求め続ける人生を送りたいと思ってこれまでやってきました。
2008年よりブログ「知的生活ネットワーク」をやっています。
BLOG:知的生活ネットワーク
Twitter:@Lyustyle