バランスよくコスト管理するのに必要な鳥の目虫の目

みなさんこんにちは、うさぼう(@usabo_tweet)です。ゴールデンウィークいかがお過ごしでしょうか。

今回は「プロジェクト管理10のコツ」から、「4) いくらかかるのか書き出す」で取り上げていたコスト管理のコツを紹介します。

コスト管理って悩ましいですよね。

足りないってわかってるのにどう切り出せばいいか悩んだり、足りなくなった原因が見えなかったり、再発防止策が見つからなかったり。

これをやればOKという明快な答えではありませんが、経験に基づく問題の構造を紹介します。何か気づきにつながれば嬉しいです。

コスト管理に関わる人たち

最初にコスト管理に関わる人を書き出してみます。

コスト管理は計画段階で見積もりを行い予算として確保することと、実行段階で実績を踏まえて必要に応じて修正する2段階に分かれます。これを踏まえると、以下の4種類の人(役割)があげられます。

  1. 予算と実績を承認する人
  2. 予算を立てる人
  3. 予算の入った財布を管理する人
  4. 財布の収支が発生する現場作業を管理する人

2~4が同じ人であればシンプルなのですが、実際には複数プロジェクトをまとめて部や課全体で予算を立てることも多く、2と3が別の人になるケースをみてきました。プロジェクト規模や担当者のスキルによっては3と4が別になるケースもあります。

ではこれらの人たちはコストをどういう視点で眺めているのでしょうか。

鳥の目でみる人たち(資源配分の視点)

1と2の人たちは、高所から事業や部門のプロジェクトを眺めています。

それぞれのプロジェクトがどれくらいの予算を配分しておけば完了できるはず、と他プロジェクトの事例も参考にしながら、見通しをつけて計画しています。ちょっと厳しいけど全体予算からみればこれくらいが適切、という苦汁の決断も行っています。

この人たちに足りないものがあるとすれば、3と4の人の肌感覚です。

あらゆる領域の現場経験がある人はいませんし、現場から離れていると肌感覚は鈍るのもやむをえません。予算策定や定例会議などのコミュニケーションでどこまで肌感覚を共有できるかがポイントになります。

虫の目でみる人たち(個別業務最適化の視点)

3と4の人たちは、承認された予算を踏まえてプロジェクトをまわしていきます。ビジネスパートナーに発注を行ったり、機器や備品を購入しながら予算内の支出に収まるようにプロジェクトを進めていきます。

プロジェクトは買い物が全てではないので、単に安く買うだけでなく納期や品質を満たすために必要となるコストもあります。こちらも苦渋の決断が続きます。
この人たちに足りないものが出るとすれば、以下です。

  • 1と2が持つ資源配分の視点を3と4が持つこと
  • 4が3の視点を持つこと
  • 3が4の視点を持つこと

特にギャップが生まれやすいのは作業工数の部分です。見積工数が過小なのか生産性が低いのかの判断が難しい事態が発生します。これを解決するのに、アーンドバリューマネジメント(EVM)という手法があります。こちらについては、概念説明の前に用語解説もしたいので別記事で紹介します。

終わりに

コスト管理の問題は、これら鳥の目と虫の目で見えるものをどう共有できるかが解決の糸口になります。見え方が違うことにより議論が空回りしないよう、見積根拠や実績を日ごろから見える状態にしておくことをお勧めします。

それではまた2週間後に。

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