私の愛しいアップルパイへ
“火”曜日。今日もこの日がやってきました。
私は恐ろしいのです。私の胸の中に眠る情熱の炎が、いつかあなたを焼き尽くし、ビフテキの様にしてしまうのでは無いかと。
私が初めてあなたに出会った時に送った言葉。覚えているでしょうか。私の記憶が正しければ、私は狼もゾッとする様なギラギラとした目つきでこんな事を言ったはずです。
「好きな事をやるという事は、QQSを実現する事です」と。
さらにこう続けたはずです。「QQSは質(Quality)と量(Quantity)と魂(Spirit)の事です。どれか1つでも欠けてはいけません」と。
私は今日、貪欲にもその中で特に難しい問題である“アウトプットの質と量についてバランスを保ちながら向上させるテクニック”をご紹介しようと思うのです。
質と量は両立できる
ここからは実際にアウトプットする時の事を考えながら聞いてください。あなたが今本気で取り組んでいる事が良いです。身命を賭してまでやってのけたいと考えている事が良いです。決死の覚悟、骨を埋める覚悟がある事が良いです。
私の場合は作曲ですが、他にはそうですね、、例えば論文やレポート、プレゼン資料、就職活動中であれば履歴書やエントリーシートなどでしょうか。ブログに投稿する記事でも良いでしょう。
想像できましたか?Coooooooooooooool!!
そこで質問ですが、あなたはこれらのアウトプットについて「質を上げれば量が下がり、量を上げれば質が下がる」などとお思いでは無いですか?オーマイガッ!あなたがまずもって理解しなければならないのは、質と量はトレードオフの関係では無いという事です。
“質”と”量”は互いに全く独立した概念ではありませんが、必ずしも対立する関係でもありません。むしろ互いに補完しあうべき関係なのです。
大量のアウトプットが再現性の高いプロセスを構築し、そこから生まれたいくつかの質の高いアウトプットがプロセスを改善します。改善されたプロセスからは、以前よりも高い質を持ったアウトプットを量産できるのです。
この天空に向かって螺線状に上昇する生産活動のスパイラルが、アウトプットにおける”質と量”を同時に実現します。
あなたがこのアプトプットのスパイラルに目を向け、再現性のあるプロセスを身につければ、金の卵を産み続ける事が出来るでしょう。
質と量を向上させる”3種の神器”
この再現性のあるプロセスを作り出すのは確かに困難です。しかも各個人がそれぞれ泥んこ泥の石っころの様になって、ゼェゼェ言いながらも自分で最適なプロセスを見つけ出す必要があります。
しかし汎用的に使える道具はあります。それが「質と量を向上させる3種の神器」と私が呼んでいるものなのです。これは私が実際に泥んこ泥の石っころの様になって見つけ出した効果的な道具です。この3つを上手く使いこなせば、きっとあなたにもアウトプットにおける”質と量”の向上をもたらす事でしょう。
で、その3つが何なのかを早く言えですって?今言おうと思っていたのですが、気が変わりそうです。
私の言う「質と量を向上させる3種の神器」とは、以下の3つを指します。
1.ワークプロセス ⇒作業手順書
2.テンプレート ⇒アウトプットのひな形
3.チェックリスト ⇒アウトプットの完成度チェック
“3種の神器”のそれぞれの特徴
この”3種の神器”は必ずしも全て使う必要はありません。1つだけ使っても、2つだけでも良いのです。アウトプットの内容によって道具を使い分ける事ができます。
それぞれがどんな道具なのかを解説していきましょう。
1.ワークプロセス
ワークプロセスはチェックボックスを用いて表現される事が多く、実際チェックリストと呼ばれる事もあるでしょう。しかし、私の中ではチェックリストとワークプロセスには明確な使い分けがあります。
ワークプロセスとは、七面倒臭い説明を省いて端的に言えば作業手順書です。例えばアウトプットがプレゼンであれば、「目次を作成して、スライドにタイトルを入れて、XXさんに確認を依頼して、リハーサルをやって」という様なものです。
この作業手順書に沿いながら作業を進め、アウトプットを完成させる事になります。これによって作業が効率化します。同時に、作業ボリュームの見積もりにも役立つ為、計画をたてる時にも重宝するでしょう。
また、ワークプロセスは、やった事の無い作業にもある程度は対応できますし、規模を問わず用いる事ができる為、道具として使い易いです。
しかし、ワークプロセスはあくまで作業の手順であり、アウトプットの内容には言及されません。その為、ワークプロセスだけでは思うように質の向上が図れない場合があります。また、新しい取り組みで個別性の高いものについては、ワークプロセスを作成する事自体が難しい事もあり得るでしょう。
2.テンプレート
テンプレートとは、アウトプットとして作り上げるものから共通的な部分を抜き出し、枠として定義した物です。“ひな形”と言えば伝わるでしょうか。
レポートであれば、表紙やヘッダーやフッターなどのレイアウトなどをテンプレート化できるでしょう。さらに高度化すれば、目次の流れや、序文の内容、本文の展開などもテンプレート化できます。当然私が書いているこの記事にもテンプレートがあります。
テンプレートを作っておく事で、時間をかけずにアウトプットに一定の”質”を与えます。テンプレートを決める事は作業範囲を決める事でもあり、「やり過ぎ」と「やらな過ぎ」の予防にも役立ちます。
ただし、テンプレートはいきなり作れるものでは無く、アウトプットを重ねながら少しずつ形になっていくものなので、いきなり効果が出るものではありません。その為、作業頻度の低いものや、個別性の高いものについては太刀打ちできない場合も考えられます。
3.チェックリスト
チェックリストとは、完成したアウトプットに対して受け手の目線で客観的にチェックする為のものです。
例えば作成したブログ記事に対して「段落は4行以内に収まっているか、見出しを付けて内容をブロック分けしているか、ですます調に統一されているか、”てにをは”は自然か」などをリストに沿ってチェックします。
チェックリストは作業の抜け漏れや考慮不足を発見できる最後の砦になります。このチェックリストがしっかり作りこまれていれば、本当に必要な事項に注力できます。また、芸術などの様に、手順が複雑で再現性が無く、個別性の高い活動にも適用できる頼もしい道具です。
ただし、手順が明確で規模の小さいものに適用しても、思った程の効果が出ず、逆に非効率になる場合があります。また、チェックリストだけではやや貧弱な感じが否めませんので、出来る限り他の2つとの併用をおすすめします。
“3種の神器”を使い分ける
上述の通り、”3種の神器”にはそれぞれ役割の違いがあります。どのアウトプットにどの道具を用意するのが最適かはあなたが見極めるほかありません。
1つ使い分けのヒントを授けるならば、まずはワークプロセスを作る所から入るのが良いでしょう。ワークプロセスを効率的に作成する方法についてはマイフレンドであるはま氏が以下の記事で解説している為、是非ご参考として下さい。
チェックリストを作るのが面倒な人へ!Evernoteを使った記録活用例
その後、アウトプットの規模と頻度を鑑みて、テンプレート、チェックリストと順次拡充させていくのが良いでしょう。
当然ではありますが、この”質と量を向上させるプロセス”は一朝一夕でできるものではありません。どうしたって泥んこ泥の石っころの様になる必要があるのです。
しかし同時に、そうなる事こそがアウトプットの”質と量”を向上させる最短ルートでもあるのです。
貴下の従順なる下僕 松崎より
システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログを通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。2015年からは「jMatsuzaki」名義でのバンド活動を開始。
もっと詳しく知りたい? ⇒ 「jMatsuzakiとは誰か?」