「ファイトぉおおおー!!」
「イッパーツ!!」
そうです。ファイト一発とは、リポビタンDのCMのあのファイト一発です。
今回は、そんなファイト一発がタスク管理での「行動」と「心」のコンビでも行われる、というお話です。
行動が心を引っ張り上げる
伝統的でベーシックなタスク管理では以下のようなことが良く言われます。
- 決意ではなく、時間配分、住む場所、付き合う人を変えることで自分が変わる
- 小さな習慣でも積み重ると、自分が変わる
まずは行動をタスク管理で変えよう!そうすれば、自分も変わるよ!
という話です。
自分を変えるのは難しいです。自分とは、つまるところ、心です。
女心(男心)と秋の空と言われるように、心は移ろいやすいですが、移ろう原因は主に外的な環境変化にあり、自分で自主的・主体的に心を変えるのは難しい。不思議ですね。
だからこそ、管理できる行動にフォーカスして、行動を変える。行動が変わると、それと共に心も変わっていくという主張には説得力があります。
イメージで説明すると下記のようになります。
▼心くんも行動くんも「この段差を登りたいなぁ」と思っている。
▼まず行動くんが段差を頑張って登る。実際の現実では、行動を変えて定着させようとしている期間。
▼行動くんが段差を登り切る。完全に新たな行動が定着した状態。
▼行動くんが心くんをファイト一発で一段上に引き上げる。行動が一段上の高さに移動したことで、心も一段階上にあがる。どちらがケイン・コスギかは読者の想像におまかせする。
心が行動を引っ張り上げる
日常生活や仕事でのシンプルな出来事であれば、行動くんが心くんをファイト一発してくれれば、解決します。
しかし、いくら行動くんが頑張っても超えられない段差(大きな壁)が人生の中で現れます。
そんな時は、心くんが段差の上にワープして、行動くんを引っ張り上げることも必要なります。
「ワープなんてできっこない」と思う人もいると思いますが、できるのです。
できるからこそ、下記のような言葉が存在しているのです。
- パラダイムシフト
- 視座の転換
- ラベリング(心理学用語)
「できる・できない」の答えは「できる」。であれば、あとはその人ができるように努めているか否かだけが、可能不可能を分けます。
できないと思って、できるように努めなければ、一生出来ません。これも「心が行動を引っ張りあげる」の一例と言えます。
また、心くんだけがワープ可能です。
行動くんはワープ出来ません。なぜなら、行動くんは時間と不可分であり、時間の積み重ねがないと、行動くんは段差を上がれないからです。
更に言えば、時間を積み重ねたとしても、行動くんが段差を上がれるか否かは行動の量と質に因ります。よって行動くんが段差を上がることは、100%保証されるものではありません。段差に捕まり続けているが、一向に上がれないという状態も往々にして起こります。
一方、心くんは時間と紐付けされていません。「違うパラダイム」「違う視座」「違うラベリング」が存在すると認識し、自分はそこにいると思った瞬間に、既に立ち位置は変化しているのです。
そして心=人が変わってしまえば、その人が取る行動も勝手に変わります。
これはもうライフハックどころの騒ぎではありません。ライフチートです。
両方使えるようになると素晴らしい
下記は、「決意ではなく、時間配分、住む場所、付き合う人を変えることで自分が変わる」の出所である大前研一さんのインタビュー記事です。
決意の無駄打ちをしないで、自分を変えるにはどうしたらいいか。私が昔から使っている簡単な方法が3つある。時間配分を変えること。住む場所を変えること。そして付き合う人を変えることである。
「決意の無駄打ちをしないで」と仰っています。これは、大前さんは決意にも効果があると思われているからこその発言だと、私は理解します。
決意も非常に効果的なのです。ただ決意は心に関することであり、取り扱いの難易度が高いから、「行動」にフォーカスする簡単な方法の方が、万人に適用でき、ウケが良いだけです。
「行動」に関するエビデンスの方が多いから、というのもウケが良いことの一因かも知れません。「行動」は簡単に数値化できますが、「心」の数値化はできませんからね。
だからと言って、エビデンスがない手法を拒絶するのは違うのではないかという話は、前回したばかりです。
心の操縦は簡単ではないので、日常のことは、エビデンスに裏打ちされた方法論が確立されている「行動」で「心」を引っ張り、いざと言うときは心の操縦に本気で向き合って、「心」で「行動」を引っ張る。
両方できれば、素晴らしいタスク管理になるのではないでしょうか。
それではファイト一発で、よいタスク管理を!
TaskArtsのイド♂(@idomars)でした。
お知らせ
12/22(日)に、立川で4年連続でタスク管理の勉強会をやります!
伝統的でベーシックなタスク管理の専門家、ひばちさんとの共同主催です。ひばちさんがベーシックなタスク管理、わたしがエキセントリックなタスク管理担当です。
参加者の方もタスク管理のエキスパート揃いなので、刺激になること間違いなし!
長年タスク管理に携わってわかったことは、結局、タスク管理の問題というのは、完全に個別の問題なんです。その人が置かれている状況や、使えるツール、心理状態など、様々な要因が絡まって問題が生まれるからです。
だからタスク管理の教科書を読んだとしても、またはタスク管理の経験者に簡単なQ&Aに答えて貰ったとしても、個別の問題を解決するの難しいのです。その問題に絡まっている様々な要因をすべて共有することで初めて、問題解決への道筋が見えてきます。
その為の十分な時間があるのが、TaskFreaksの特徴の一つです。
さらに問題解決の為のアプローチ方法を、参加者から様々な角度でアドバイスを貰えるのも面白い特徴です。アドバイスには、ベーシックなものからエキセントリックなものまで色々あるでしょうが、そこから自分に合うものを選べばよいのです。
今年のタスク管理の問題は、今年の内に解決しちゃいましょう!
「私のタスク管理手法がベスト」と思っている上級者から、「タスク管理って、やるとどんな効果があるの?」と思っている初心者まで、ご参加お待ちしています。
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イド♂です。スイス・ドイツを経てイタリアで妻と子どもと生活しています。社会人になってからほぼ1年に一回、転勤や部署異動をしている経験から、多視点からのタスク管理論が持ち味です。ひばち(@Evaccaneer )さんと二人で、タスク管理イベント「TaskFreaks!!」を主宰しています。
テーマ別で下記2つのブログを運営していますが、現在のメインは「TaskArts」。Twitterですべてのブログの更新情報を流しています。
座右の銘 : 「生きるとはタスク管理することである」