GTDの良いとこ悪いとこ

私の愛しいアップルパイへ

1年ほど前になるでしょうか。私は机の上に広がった無数の仕事を前に、呆然と立ち尽くしていました。会社もプライベートも”やるべきこと”で溢れかえっていて「いったい何から手をつければ良いのか!?」と叫び声をあげていました。

私が偉かったのは、ここで”立ち去る”という選択をしなかったところです。立ち去る代わりに私が手にしたのが「GTD」という武器でした。

GTDとは何か?

GTD(Getting Things Done)とは、物事を効率よくこなして生産性を高めるために、デヴィッド・アレン氏の提唱した方法論です。タスク管理手法としては代表的なものです。

GTDは優れた手法です。我がタスク管理もベースはGTDであり、その考えは私の頭に深く根付いています。

今日はそのGTDの紹介も兼ね、今一度GTDとはいったい何かを見直してみようと思います。GTDを実践する上で私が感じている”良いとこ”と”悪いとこ”の紹介です。

GTDの良いとこ

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photo credit: danorbit. via photo pin cc

■徹底的に外部化する

GTDではまず「収集」というプロセスが教えられ、頭の中にあるタスクに関することを徹底的に外部化する必要性が説かれます。この外部化に執着することこそ、タスク管理をする上で重要な要素になります。

頭の中を管理することはできません。頭の中を徹底的に外部環境に投影することで、はじめてタスク管理を始められるのです。

■収集と整理のタイミングを分ける

GTDが無理なく続けられるのは、タスク情報を書き出す「収集」と、書き出したタスクの「整理」のタイミングを分けた点です。「収集」したタスクを一次的に書き出しておく受信箱(Inbox)を用いることで、これを可能としています。

収集と整理を同時にやろうとすると、私たちのデリケートな頭はひどく混乱します。この事態をCoooool!に回避できるのがGTDの優れたところです。

■ストレスフリー

GTDが多くの人に愛されるのは、タスクを管理することの目的として、誰もが渇望するであろう明確な効果を打ち出したところです。

それは、目の前にある無数のタスク情報を整理することで、水のように澄んだ”ストレスフリー”な状態を作りだし、没頭すべきことに100%没頭できるという効果です。

単にタスク情報を整理するだけではなく、その先にある「ストレスフリー」という状態に言及したところがGTDの魅力です。

■定期レビューでメンテナンスする

GTDを語る上で決して見逃せないのは、タスク管理というものを単にタスクを区分して整理する行為としてでなく、メンテナンスが必要な”システム”として捉えた点です。

「週次レビュー」という習慣を取り入れ、タスク管理システムを定期的にメンテナンスすることが、適切なタスク管理には必要不可欠だったのです。

GTDの悪いとこ

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photo credit: ★ spunkinator via photo pin cc

“悪いとこ”というのは言い過ぎかも知れませんが、ここではGTDで大きくは取り上げられていないタスク管理に重要な概念について記載します。

■時間の管理

GTDを実践しても、それぞれのタスクをいつやるかは依然として未定のままです。GTDにはタスクの実行タイミングを時間で管理する点には触れていないからです。

あなたがより高度なタスク管理を求めるのなら、タスクに取り組むスケジュールを管理する方法論がいつかは必要になることでしょう。

■記録の重要性

タスクを管理する上で無視してはいけないのが実行記録をとることです。どのタスクに何時何分に着手して、何時何分に終了したかを記録することは必須の能力といえます。

なぜならタスクってのはほとんどルーチンワークだからです。記録をもとに”習慣”を管理する手法が、反対側に突き抜けるための鍵になります。

■トップダウンモデル

GTDの中でもトップダウンモデルの重要性は説かれていますが、単に目の前にあるタスクを処理するだけでなく、高い目標からタスクを落とし込むやり方も必要です。

GTDではまず目の前に散らかっているタスクを実行に移すことを主眼に置いているため、GTDとは別に目標を管理する手法を検討するのが望ましいでしょう。

ストレスフリーへの旅立ち

GTDはすぐに効果が出る方法論になっているため、これからタスク管理を始める方にはオススメの手法です。

ただ、GTDには強みも弱みもあって、それだけではいつか限界がきます。ある程度GTDの実践に慣れてきたら、上述した”悪いとこ”を参考に補強していくと良いでしょう。

▼参考図書

貴下の従順なる下僕 松崎より

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