皆さんこんにちは!BECKです。
これから短期集中連載の形で、仕事上で役立つツールを紹介する「ビジネスを生き抜くための武器を手に入れろ!」シリーズをお送りいたします。第1回は「仕事術&メンタルモデル編」ということで、主にベックがメンタルモデルとして身に付けて、役に立ってるなーと感じる仕事術を紹介します。
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知識の習得からメンタルモデルの構築へ
メンタルモデルとは?
まず、メンタルモデルとはなんぞや?という疑問をお持ちの方が多いと思います。
Wikipedia曰く
メンタルモデルは、外界の現実を仮説的に説明するべく構築された内的な記号または表現であり、認識と意思決定において重要な役割を果たす。メンタルモデルが構築されると、時間とエネルギーを節約する手段として慎重に考慮された分析を置換する。
単純な例として、「野生動物は危険だ」というメンタルモデルがあるとする。このメンタルモデルを保持する人は、野生動物に遭遇したとき反射的に逃げようとするだろう。これは自身のメンタルモデルを適用した結果であり、野生動物に対するメンタルモデルが形成されていない人や違うメンタルモデルを保持している人はこのような反応はしないと考えられる。
と言われても、なんのこっちゃと思うかも知れません。
もう少しかみ砕いて説明をすると「何らかの行動を行う手順の記憶」をメンタルモデルと言います。
例えば、Windowsのパソコンで見積もり書を作ろうと思ったら、多くの人がまずはスタートボタンを押して、スタートメニューからExcelを起動して見積もり書の作成に取りかかると思います。一度作ったことがある人であれば、前回の見積もり書をベースに必要なところだけ修正して仕上げるかも知れません。
これは、まずWindowsパソコンの基本動作に関するメンタルモデルを持っていて、その上で見積もり書の様な「表形式且つ計算を伴うドキュメント」はExcelを用いて作成するというメンタルモデルが構築されているから為せるワザです。
仕事術ジプシーを脱して自分の仕事術を構築しよう
よく「本を読んでも身につかない」という言葉を聞きます。
これはつまり、本を読んで知識としては知っていても、メンタルモデルが自分の中で構築出来ていない状態です。
もしくは「あの仕事術は私の仕事には使えない」という言葉を聞くこともあります。
これはこれで正しいのですが、実際の所、自分の仕事にそのまま使える仕事術など殆ど存在しないので、「自分(の仕事)にはあわない」という理由で切り捨てていては、いつまで経っても自分にピッタリの仕事術を見つけることなんて出来ません。
そこで一念奮発して我流の仕事術でも編み出せれば良いですが、最悪なのは「いつかは自分にピッタリの仕事術が見つかる」と期待して、次から次へと新しい仕事術に飛び移る仕事術ジプシーになってしまうことです。
結局の所、仕事術を学ぼうが学ぶまいが目の前にある仕事をやっつけなければいけませんし、我流が悪いなんてことはこれっぽっちもありませんから、大いに我流で良いのです。
他者の仕事術で盗めるところがあれば、部分的に取り入れれば良いだけですし、根本的に入れ替えが必要なら、いつでも我流の仕事術を捨て去る柔軟性を持っていればそれで十分です。
大事な事は、知識段階であちらこちらへ飛び移らないことです。
メンタルモデルの構築方法
メンタルモデルを構築する方法はそれほど難しくはありません。
というよりも、まずはその本に書かれている通りに”やってみる”というだけです。
まずは身に付けたい仕事術について関連する書籍を3冊ぐらい読んでみて、ピンときたものを中心に据え、完璧で無くともそれっぽく実践が出来るところまでシステムを構築してみることを目指しましょう。
一度システムらしきものが出来たなら、後は何度も原典にあたりながら仕組みを回しつつ、自分の仕事に併せて部分的に改良を加えていきましょう。
初めのうちは何度も書籍を参照することになり、すぐに自分の仕事にあわない部分に出くわすため、効率が非常に悪いのですが、書籍を参照せずに出来るようになってくれば効率がグンッと跳ね上がります。
最初はあまりあれこれやらず、一つのやり方に忠実に自分の仕事にアジャストするように取り組む方が良いのですが、ある程度慣れてきたなら他の書籍などから部分的に使えそうな考え方を持ってくるなどのアレンジを加えても良いでしょう。
メンタルモデルについてもっと詳しく知りたい場合は、次の書籍を読むことをオススメします。
武器としてのメンタルモデル
持つべきメンタルモデル
さて、メンタルモデルの説明が長くなってしまいましたが、本記事の本題は私自身がメンタルモデルとして身に付け、実際の仕事で役立ったと感じている仕事術を紹介することですので、早速本題に移りましょう。
私はかれこれ9年ほどシステム屋の現場で日々悪戦苦闘しているわけですが、その中で特に役立ったと思うメンタルモデルがいくつかあります。全てを挙げるのは難しいですが、代表的なものをジャンル別に5つ挙げてみたいと思います。
- 「自分の小さな「箱」から脱出する方法」のコミュニケーション術
- 「7つの習慣」&「TQ」の目標管理/時間管理術
- 「ストレスフリーの整理術」&「マニャーナの法則」のタスク管理術
- 「アイデアの作り方」のアイデア発想術
- 「仕事は楽しいかね?」のプロトタイピング手法
「自分の小さな「箱」から脱出する方法」のコミュニケーション術
「自分の小さな「箱」から脱出する方法」はタイトルだけ見ると意味がよく分からないのですが、読んでみるとなるほどと唸らされます。
今まで何と表現すれば良いのかわからなかった私たちの態度を「箱に入る」という表現で表し、他人同士が「箱に入り」あうことでコミュニケーションはあらぬ方向、大抵はどうしようもないと諦めたくなるような状態へと向かう様が見事に解明されています。
7つの習慣で言うところ「刺激と反応の隙間」と併せて「箱に入る」という概念を持つことで、私のコミュニケーションに関するメンタルモデルは大きく変貌を遂げました。
まだまだ「箱に入る」状態を管理出来る程の所作は身についていませんが、「あ、今箱に入っているな。気を付けよう。」と思えるようになったことで、恐らくかなり多くのモノを失わずに済んでいると思います。
「7つの習慣」&「TQ」の目標管理/時間管理術
「7つの習慣」は広範にわたる体系だった自己啓発本であり、目標管理や、時間管理は非常に重要な要素ではあるものの、あくまで一部の構成要素にすぎません。
「7つの習慣」で紹介されている目標管理/時間管理術をより詳細に解説した書籍が「TQ(タイムクエスト)」で、かの有名なフランクリン・プランナーも基本的にはこの2つの書籍がバックボーンになっています。
ミッションステートメントや時間管理のマトリクス、そして週間計画において役割毎の目標や第Ⅱ領域を優先する「大きな石から」予定に組み込む重要事項を優先するという考え方や概念は「7つの習慣」から得た、貴重なメンタルモデルです。
また、カバーする範囲が広範にわたる「7つの習慣」では解説が不足していた価値観や具体的な時間管理の手法が「TQ」に書かれており、この2冊を読むことでフランクリン・プランナー式の目標管理/時間管理術をそれなりに理解し、メンタルモデルとして自らの人生に組み込むことが出来ました。
夢や目標に対してどうアプローチすれば良いのか分からない人や時間の使い方を計画するのが苦手な人は、まずはこの2冊を読み、目標の立て方、管理の仕方、週間計画での行動への落とし込み方、時間管理のやり方を学ぶと良いでしょう。
「ストレスフリーの情報整理術」&「マニャーナの法則」のタスク管理術
タスク管理において、この2冊から受けた影響は計り知れません。
「ストレスフリーの情報整理術」 は言わずと知れたGTDの教本ですが、GTDの情報管理フローをメンタルモデルとして自分の中に組み込んだことでタスク管理はおろか、あらゆる情報を効率良く捌けるようになりました。
特に、Inboxを定め、頭の中にある情報も含めてタスク/情報を収集し、タスク管理システム(Toodledo)及び情報管理システム(Evernote)に放り込むことで得られる開放感はすさまじいモノがあります。
また、収集と処理/整理の作業を分離するという概念を持ったことで、情報の取りこぼし率は大幅に改善されました。
加えて、GTDにおけるレビューを行ってNextActionリストを作成するという考え方は、「マニャーナの法則」で言うところの「デイリータスク(Will Doリスト)」と非常に親和性が良く、全てのタスクを書き出す「マスタータスクリスト」と今日やることだけが書かれた「デイリータスクリスト」の2つを用いたタスク管理を確立することができました。
これに、「7つの習慣」の役割の概念を加えて、ペルソナ毎のタスク管理と、それを統合した1日分のタスク遂行をToodledo上で行える様になったことで、私自身活動のキャパシティが格段に向上したと実感しています。
「アイデアの作り方」のアイデア発想術
「アイデアの作り方」のアイデア発想術は極々シンプルで、大きくは次の5STEPとなります。
- 関連しそうな資料を集める
- 集めた資料を咀嚼(整理・分析・加工)する
- アイデアを孵化させる
- アイデアを思いつく
- アイデアを具体化させ、発展させる
本書を読むことで、Evernoteに入手した情報を兎に角つっこんで、集めた情報をいじくり回しつつ、考え尽くしてそれを手放した頃に、ピコーンとアイデアを思いつくという一つの型が出来ました。(他にはブレストやGTDの収集なんかも発想術としては良いです)
そしてまた、生まれたアイデアをEvernoteにつっこんで追記したり、反論を考えたりしながら少しずつ育てたのち、やがてアウトプットとして巣立っていき、またそのアウトプットがEvernoteに突っ込まれるというアイデア&アウトプットのメンタルモデルができあがった次第です。
「仕事は楽しいかね?」のプロトタイピング手法
「仕事は楽しいかね?」は仕事のやり方も執筆活動も何もかも、僕の行動の全てをガラリと帰ってしまった座右の書です。
”試してみることに失敗はない”、”問題は、才能のあるなしでもなければ、勤勉かどうかってことでもない。コイン投げの達人じゃないってことなんだ。”といった言葉との出会いによって、兎に角色んな事を試しながら答えを探す様になったり、多少の失敗で凹まなくなったなーと実感しています。
最後に
「ビジネスを生き抜くための武器を手に入れろ!」シリーズ第1回は「仕事術&メンタルモデル編」ということで、ベックが実際にメンタルモデルとして身に付けて、仕事上で役に立っているという実感を持っている仕事術及びそれらの原典である7冊を紹介しました。
今回、ToodledoやEvernoteといったツール名が少しだけ登場しましたが、次回はこれらのツールにフォーカスして、今回紹介したメンタルモデルをどの様に各ツールで実践しているかについて触れたいと思います。乞うご期待!!
ベックです!
横浜在住大阪人。本職SE。ガジェット、文具、手帳、ライフハック、モバイルが大好物な30代男性。BLOG「Hacks for Creative Life!」が主戦場です!。『EVERNOTE情報整理術』『クラウド「超」活用術』著者。勉強会『東京ライフハック研究会』の主宰者でもあります。
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