いざという時に結果を出すために「自分の居場所」は自分で決める ~忙しいビジネスパーソンのための「軍師の心得(その10)【最終回】」~

戦国時代の軍師「黒田勘兵衛(くろだかんべえ)」にまつわる出来事から現代のビジネスパーソンに役立つスキルを紹介する「軍師の心得シリーズ」。最終回である第10回では「自分の居場所の決め方」について取り上げます。

「自分の居場所は自分で作るしかないよ。」とよく言われます。しかし、例えば会社の中で「自分の居場所を決める」ことを真剣に考えたことがある人は一体どれくらいいらっしゃるでしょうか。おそらくは、上司からの指示や、なんとなく周りの空気を読んでいるうちに、いつの間にか自分の居場所が定まっていたというケースが多いのではないかと思います。

そこで、今回は「自分の居場所を決めること」について掘り下げます。

戦国時代において、武将の居場所としては大きく2種類あります。それは「戦時の居場所」と「平時の居場所」です。もちろん、戦国時代でも、同盟関係や支配関係、被支配関係(上下関係)を意識して活動しています。そのため全てが自分の自由になる訳ではありません。しかし、そのような状況であるがゆえに、自分の立ち位置(居場所)を意識して行動することは非常に重要でした。

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1.戦時の居場所を考える

戦国時代の戦時にもっとも目立つ役割は、戦(いくさ)の先陣を担うことです。そのため、戦での武功を求める武将たちは、この居場所(ポジション)を任してもらえるように常に自分の存在をアピールしました。

翻って、「戦国時代の戦時」を「現代社会の特別なプロジェクト」に置き換えてみましょう。「現代社会の特別なプロジェクト」でも、もっとも華があるのは「先頭で指揮するリーダー」です。そのため、もし会社で高い評価を求めるなら、リーダーのポジションを「自分の居場所」と考え、その居場所に近くづくことを目指すと良いでしょう。

けれどもリーダーのポジションは、非常に競争率の高い居場所です。そのため、もし他者にその居場所を取られてしまった場合は、違う居場所を探さなければなりません。そこで一つの案として、もしプロジェクトの成功を誰よりも強く願うのなら「殿(しんがり)」を務めることをお勧めします。「殿(しんがり)」というポジションは、トラブル対応や外部との調整など、もっとも泥臭い仕事をすることになりますが、プロジェクトの成功を左右する重要な役割です。

そのため仕事の遣り甲斐を求めるなら、「殿(しんがり)」を自分の居場所とすることは悪くない選択です。

2. 平時の立ち位置を考える

戦国時代の平時は、単にのんびり暮らすための期間ではありません。平時は、次の戦(いくさ)に備える重要な期間でした。そのため平時の居場所として、戦国武将は敵から攻められにくく且つ見晴らしの良い場所を選びました。

翻って、「戦国時代の平時」を「現代社会の仕事場」に置き換えてみましょう。敵から攻められにくい場所とは、仕事のトラブルの情報が入ってくる人から遠い席です。但し、見晴らしの良い場所との兼ね合いになると、この席は良い選択ではありません。

現代社会の仕事風景において、見晴らしの良い場所とは、仕事をするフロア全体が見渡せる座席、或いは情報が集まる上司の机の近くです。加えて、リスクに対して備えるという観点から考えると、トラブルを早く察知することが結果的に迅速な解決に繋がりますので、トラブルの情報も早く把握できることが望ましいです。そのため、仕事のトラブルの情報が入ってくる人に近い場所も良い居場所です。

そのような場所を、自分の居場所として定めることで、より適切に情報が収集できるようになり仕事のスピードが上がることでしょう。

■オススメのトピック・書籍

戦時も平時でも、良い判断をすることは容易ではありません。そして最後は自分で決断することが重要です。そこで今回は下記の書籍を紹介します。

決断力 羽生 善治 (著)

自分の決断に、より自信が持てるようになることでしょう。

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