人前で話すときのヒント7 「入念なプランを立てる」

誰もが「聞こう」と思ってるわけじゃない

準備は、十分になすべきです。

時間はとても貴重なもの。

そして、人に話を聞いてもらうというのは、その貴重な時間をいくばくか奪う行為。

だから、話を聞いてもらう時間を有意義なものにするためにも、話し手は十分に準備しなくちゃいけない。

人前で話す際には、そういう意識を持っておくべきではないか、と感じます。

また、十分な準備が必要な理由はそれだけではありません。

聞き手は、必ずしも「話をちゃんと聞こう」と考えてくれているとは限らないから。

準備が不十分で、何度も言葉につまったり、話が前後したりしてしまえば、聞き手はたちまち話を聞いてくれなくなります。

加えて、もう一つ。

わかっている、つもりかもしれない

話をする機会が与えられている、ということは、話す内容を自分自身しっかり理解している必要があります。

「全容がイマイチ見えない」「十分に把握していない」ときは、当然話すまでにいろいろと調べ、学び、整理し、全容を明確にすると思います。

なにもしゃべることが口から出てこない、話すべきことがなんなのかわからない、ってなことになっちゃうかもという不安が、「ちゃんと準備しないと」という気にさせてくれる。

気をつけたいのは、自分の持つ知識、理解している事柄について話すとき。

「話そうと思う内容はだいたい頭に入ってるし、まぁ大丈夫でしょう。」

そんな油断から、十分に準備していないと、いざ人前に立ったときに大焦り。へんな汗をいっぱいかくことになりかねません。

それは、自分はわかっているつもりでも、実は「わかった気」になっているだけってことが多いから。

「わかった気」は、簡単にボロが出ます。

ちょっとした質問があれば、たちまち答えられなくなっちゃいます。

また、話している最中に、自分自身が話の流れに疑問を持ってしまうこともあったりします。

「あれ?ここ、話の筋がおかしいんとちゃうか?」というように。

そうなると、へんな汗へまっしぐら。

「わかっている」という気でいても、もしかしたら「わかっているつもり」であるかもしれない。

「わかった気」になっているだけかもしれない。

実際、話すための準備を行っている最中には、いろんな発見にであいます。

準備を進める中で、自分自身の理解が深まっていくこともしばしば。

「わかった気」を取り払うためにも、十分に準備を行うことは大切です。

準備の仕方

では、準備はどのように進めていけばいいのか。

その答えは、人によって様々で、「こうすればうまくいく!」なんて方法は、おそらくはないんじゃないか、と思います。

なので、あくまでも参考になればいいな、という気持ちで、準備の進め方の一例について述べていきたいと思います。

■Ⅰ、書き出す

まず、十分な量の紙を用意します。

そこに、思いついたことをじゃんじゃん書き出していきます。

今回は、どういった内容を話さなければいけないのか。

誰に最も伝えたいか

その中で、キーポイントとなるところはどこか。

一番伝えたい事柄は何か

どういう資料が必要になってくるか。

準備を終了するまでの行程はどういったものか。

わかりやすく伝えるためには、どういう順番で話していけばいいか。

「布石をうつ」ことはできないか

どういった問いをなげかけることが有効か。

。。。

頭には、おそらくいろんな問いが浮かんできます。

その問いに答えながら、話の要素を挙げながら、問いについての答えを考えながら、頭に浮かんだことをだぁーっと書き出していきます。

まとめようとせず、ただ、思いつくがままに。

そういったことをしていくと、話の内容がだんだんと見えてきます。全体の流れがつかめてきます。

たった一つの伝えるべきことが浮かび上がってきます。

そこで、次のステップに入ります。

■Ⅱ、組み替え、こねくりまわす

おぼろげに見えてきた全体像を、よりくっきりと際立たせていきます。

このときに使うのは、名刺サイズほどの紙片。

Ⅰでいろいろと書き出す中で出てきた、話の要点をその紙片に書き付けていきます。

それらを並べ、順番を考えて、いろいろと組み替え、こねくりまわします。

より話の内容が伝わりやすい順番に。

流れがなめらかになるように。

聞き手が、聞くばっかりにならないように

ここで書いた紙片たちは、そのままスライドの材料になってくれるので、並べた紙片たちを参考にしながら、スライドの作成も進めていきます。

スライドの一枚一枚に対し、「このスライドで何を伝えたいか」を自問しながら

組み替える中で、「まえもってこの話をしといたほうがいいかも」なんて、布石を思いつくこともあったりします。

■Ⅲ、流れをまとめる

Ⅰのステップで書き出したものと、Ⅱの紙片たちを並べ、話の流れをまとめていきます。

また新たな紙をとりだし、話の展開をそこに書き付けていきます。

実際に話をしてみるとどうなりそうかをイメージしながら、時間の配分も書き入れていきます。

どこでためを入れるか、もったいぶるか も合わせて考え、まとめていきます。

流れを考えていると、Ⅱで定めら順番に手直しをしたくなることもしばしば。

そういうときは、また紙片を並べ替えながら、修正を加え、全体を完成させます。

「いざというときには、これを見れば大丈夫」と思える、自分用の、話のロードマップを描くことができれば、準備はかなり整っている、と言えます。

いきなり流れを考えていくとなかなか準備が進まなかったりすることが多いため、話す内容の材料を集めるために、まずはどりゃーっと頭に浮かんだことを書き出していくことをおすすめします。

おわりに

そんな感じで、準備を十分におこなう。

その際、これまで本連載の中で出てきたヒントが役立つのではないか、と思います。

そして次回は、実際に人前で話す際の心がけ的なものについて書いていきたいと思います。

では、お読みいただきありがとうございました。

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