こんにちは。「知的生活ネットワーク」のLyustyleです。隔週火曜日担当です。
さて,今回のレシピは子どもの睡眠についてです。
子どもにとって睡眠はとても大切なもの。それはよくわかってる。でも,うちの子は10時過ぎても寝ないんだよね~とおっしゃる方に関係のあるレシピです。
コンビニやスーパー,郊外型の大型書店などに深夜に行くと,子ども連れの家族がいて驚くことがあります。
こんな時間に子どもを連れてきて,何も不安はないのだろうかと心配になります。
睡眠時間がすくないことは,確実に子供の成長によってよくないことだというのは数々の報告で示されています。
睡眠時間がすくないと,子どもにとってどんな影響が?
寝不足傾向の子どもは,自己肯定感が低いという結果が出ています。
たとえば文科省が2014年11月に行った睡眠の重要性を確かめる調査「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査」の結果では,睡眠時間が不足している子どもは,自己肯定感が低いこと,精神が安定しないことが統計的に示されました。
これは,学校において子どもたちを見てきた経験とも一致しています。私たち教師が感じてきたことが統計で裏打ちされた調査でした。
また、睡眠時間と脳の発達の関係もあるようです。下記サイトでは出典は示されていませんが、睡眠と脳の発達についての関係を調べた調査の記事があります。
頭のいい子に育つ、理想の睡眠時間は?夜寝ない子供の就寝時間を早めるコツ
他にも睡眠不足が子どもに及ぼす悪影響として「お悩み解消ネット」に6つの悪影響が掲載されています
- 学習能力 学力の低下
- 成長の遅れ
- 注意力や集中力の低下
- イライラ・多動・衝動
- 忍耐力の低下 キレやすく
- ねぼけ おねしょ
睡眠不足が及ぼす6つの悪影響【子ども編】 | お悩み解消ネット
経験的に寝不足が子供の調子に悪影響を及ぼすことを知っている私たちには、家族で焼き鳥屋に遅くまでいる親子や、深夜に本屋やコンビニに来ている家族を見ると、その子の将来が心配になってしまうのです。
ある日、母親が学校に子供を連れてきました。子どもはしくしく泣いています。教室にも行こうとせず,まどのさんにしがみついてかたくなに離れようとしません。しばらく保健室で過ごさせましたが、中休みくらいになったら元気に教室に上がって行きました。結局夜遅くまでゲームをしていて寝不足になり,眠たかったそうです。
このような寝不足の状況は、脳が「ほろ酔い状態」になっているのだそうです。学習の効果も半分に下がります。
【子供と睡眠】わずか2時間不足で、脳は”ほろ酔い状態”。成長に与える、深刻な影響とは(3/3) – ハピママ*
十分な睡眠が必要な理由が更にあります。
それは子どもの脳は眠っている間に成長ホルモンを出すということです。睡眠が十分でないと、成長ホルモンが分泌される時間も短くなるわけですね。
それでは、十分に寝ればいいじゃないか、遅くまで起きているならその分遅くまで寝せていればいいじゃないかというとそうではありません。
子どもの脳は眠っている21時から作られ、22時くらいから夜中の2時くらいまでに活発に分泌されるので、21時には睡眠に入っていることが必要になります。単に睡眠時間を長くすればいいというわけではないのです。
寝る子は育つ!子供の成長に必要な睡眠時間は?年齢別の理想 | MARCH(マーチ)
ここまでで、次のことがわかりました。
- 睡眠不足は子どもの心身の成長にとってよくない
- 睡眠時間を長くすればいいというわけではない。
- 成長ホルモンが分泌される時間を十分にとるためには、21時には睡眠に入らなければならない。
小学生の子どもだと、6時に起きるためには8時くらいには寝る準備を始めて9時には布団に入っておく、というリズムを作ることが大切だということになります。
決まった時間に寝て、決まった時間に起きるよいリズムを作るためのレシピ
では,そのリズムを作るためにはどうしたらいいのでしょうか。
9時ぎりぎりまでテレビやゲームをさせていて、「はい、寝る時間になったから寝なさい」といっても、子ども達は寝てくれません。体と心が眠るためのスタンバイ状態になっていないからです。
子どもの体内にリズムができれば,時間になったらふあーとあくびをし,自然な流れでお風呂に入り,寝間着に着替えて布団に入ることができるようになります。
そのためにいくつかポイントがあります。
入眠儀式
入眠儀式とは,寝る前に行う一連のルーティンです。午後8時になり,親の「さて・・・」という言葉から始め,風呂に入り,お水を飲み,寝間着に着かえ,布団に入り・・・といったことを習慣的に行います。
体の中にリズムができ,8時の時報や「さて・・・」という言葉を聞いただけで,心身が入眠に向けてのモードに変わっていくようになります。
これは大人でも行っていることです。
12時に寝る場合,11時になったらPCの前から離れて風呂に入り,あがったあとは,スマホやテレビなどは見ずに,リラックスできることをします。
こうして体を睡眠モードにもっていくわけです。
寝室の照明を暗くする
電気を消すのを嫌がる子どももいますが,明るいままにしておくと,睡眠中のメラトニンの分泌量が減るそうです。メラトニンは,体温や脈拍や血圧を下げて副交感神経を優位にする働きがあるので,これによりよい睡眠を得ることができるのですが,これが減ると,睡眠の質が悪くなります。
また,成長ホルモンの分泌量の低下を招いたり,目が調節をし続けることによって将来の強度近視の原因になったり,というようなことも起こります。
寝室の照明は暗くすることが大切です。
同じ時間に寝る
親の都合によって,寝る時間をバラバラにしてしまってはいけません。
くらしナビ・子育て・親子:睡眠不足 脳の発達に影響 – 毎日新聞
三池さんは「まずは午後7時〜午前7時の時間帯に、平均10時間のまとまった睡眠を確保してほしい。寝る時間や起きる時間が毎日バラバラだと脳が混乱するので、同じ時間帯に寝かせることも心がけて」と話す。さらに「午後10時以降に、照明が明るいコンビニやスーパーに子どもを連れて行くのは絶対にだめ」と声を強める。
毎日決まった時間に起こす
決まった時間に寝て,決まった時間に起きる。体にリズムを作るためには,起きる時間も決めておくことです。できれば休みの日も同じようにします。
休みの日一日遅く起きただけで,これまで積み上げたリズムがまた崩れてしまうことがあるそうです。
むしろ,起きる時間を毎日同じにしておくことが必要で,起きる時間が一定であれば,リズムを保つことができるということです。
【子供と睡眠】わずか2時間不足で、脳は”ほろ酔い状態”。成長に与える、深刻な影響とは(3/3) – ハピママ*
「毎日一定の時刻に起きることで、自律神経と体内時計のリズムを保つことができ、夜11時に寝ても毎日5時に起きるようにすれば、6時間睡眠でも疲れがよくとれるといいます」
早寝させるには,まず早起きを。
まとめ
- 睡眠時間を十分にとることと,よい睡眠をたっぷりとらせることは違います。
- 成長ホルモンの分泌の点から,午後9時には寝ることが必要です。
- そのためにはいくつかのポイントがあります。今回のレシピです。
- 起きる時間を一定にすることで,体内のリズムが保持できます。
以上です。
今回は,さまざまな専門家の識見が必要でしたので,引用の多い記事になりました。私も改めて勉強になりました。
それでは,また2週間後の火曜日にお会いしましょう。
小学校の教師を33年間勤めています。
渡部昇一氏の「知的生活の方法」を読んで以来,忙しい中にも知的生活を求め続ける人生を送りたいと思ってこれまでやってきました。
2008年よりブログ「知的生活ネットワーク」をやっています。
BLOG:知的生活ネットワーク
Twitter:@Lyustyle